待ち人・和泉

刑務所に入っている深友を、待っています。

三重から帰ったら

手紙が来ていた。

そこには、親族しか面会できないこと、

手紙は毎週金曜日に出せて

月曜日に発送されることが書いてあった。

そして、特例で速達は彼側からは送れない旨も書いてあった。

私の手紙は、6月1日の土曜日に届いていた、とも。

こちら側からの速達は、ちゃんと届くようだ。

せっかく来てくれたのに、ごめんね

と、書いてあった。

謝らせてしまったことに、心が痛んだ。

彼からの返信を待ってから行くべきだったか。

でも、私は、それでも傍に行きたかった。

だから、三重に行ったことに悔いはない。

謝らないで欲しい、と返事を書いた。

私が行きたくて行ったのだから。

初犯刑務所、とは、とても厳しいところなのだな。

親族以外の友人には会えない。

手紙の速達も送れない。

再犯しないよう、厳しくできているのかもしれない。

彼の平穏な日々を願うばかりだ。

会えなかった。

ただいま、三重県です。

三重刑務所、ただの友人では面会不可……

どうやら昨日、彼は私にその旨を手紙で送ったらしい。

見事なすれ違い!!!

これは、「速達」が速達ってない証拠じゃないか?!?!

万が一の覚悟はしていたけど

やっぱり会えないのはつらい。

出てくるまで会えないんだ。。

泣けてくるな。

でも、彼が頑張ってる場所に

自分の足で行けたから

それだけで満足感もあることは確か。

差し入れに、本2冊と現金を入れた。

本当なら、欲しいもの聞いて売店で買いたかった。

先月は、彼の誕生日だったから。

現金だと無粋な感じがする。

けど、仕方ない。

今の私にできることは、これだけだ。

諦めないで、ちゃんと待つ。

出てきた暁には、抱きしめる。

それまで、手紙で繋がってようね。

会いに行くよ。

ただいま、三重県行きの夜行バスの中である。

静岡のパーキングで休憩中。

彼は、私が面会に行っても

よろこんでくれるだろうか。

気分転換になるだろうか。

絆を確かめ合えるだろうか。

何を話そうかな。

どこまで話せるのかな。

期待と不安が交錯する。

なるようになれ!!だ。

そもそもの問題。

私の手紙は、彼の元に届いているのだろうか??

という疑問がわいてきた。

検閲に引っかかって、領置になっていないだろうか??

そうすると、いきなり面会に行くことになる。

だ、大丈夫だろうか。。

返信が来ていないので、夜行バスの手配をした。

仮に彼に会えなくても、そばに行けるだけでいいや。

伊勢神宮で、彼のいろんなことを祈ろう。

2通目の手紙を送った。

先週金曜日、6月某日に面会に行っても良いか?と

取り急ぎの手紙を、また速達で送った。

280円切手を同封して、

もし他の人が面会に来る予定があって

面会が出来ないなら、この280円切手を使って

速達でその旨を書いて返信をお願い、と書き添えて。

面会は、受刑者は月に2回しかできない、と

ネットの情報で知ったから、、、

彼は月に4通しか手紙が出せないのに

こんな、ねだるようなこと書いてしまって

困らせるだろうか。

面会に行くことに問題がないなら

返事はいらない、とも書いたけど……。

受刑者とのやりとり、なかなかにむつかしい。

手紙が来た!

待ってたよーーーー!!!!!

手紙がこんなにうれしいものとは、思わなかった。

私の為に時間を割いて手紙を書いてくれたことが、うれしい。

彼が1ヶ月がんばってたことがわかって、うれしい。

彼の字のひとつひとつが、愛おしい。

ずっと眺めてしまう。

取り急ぎの返事を書いて、速達で出した。

検閲を急いでくれると聞いたから。

彼は今、三重にいる。

なかなか会えない距離だ。

けれども、手紙と心で繋がっている。

今はそれだけで充分だ。

なるべく明るい手紙を、たくさん出そうと思う。