待ち人・和泉

刑務所に入っている深友を、待っています。

今日も来なかったなぁ

連休前、最後であろう配達日。

手紙、来なかったなぁ……。

やっぱり、連休明けになるのかな。

正直、淋しい。

けれども、彼は月に4通しか手紙が出せない。

刑務所の決まりなのだ。

4通のうちに入れなかったのかな、

と思うと、淋しくなるが、

彼には他にも待ち人がいてくれているのだ。

と思えば、淋しくもならない。

彼にとっては、いいことだ。

なんて、自分を言い聞かせている。